サンテステフの大地にて
シャトー・フェラン・セギュールのブドウ畑は面積70ヘクタール。サンテステフ村のなだらかな丘陵および台地に広がる粘土質・礫質の土壌です。
カベルネ・ソーヴィニヨン、王たるブドウ品種
フェラン・セギュールの畑は4つのグループに大きく区分され、シャトー・モンローズやシャトー・カロン・セギュールのブドウ畑に隣接して広がっています。メドック伝統の有力ペア(58% カベルネ・ソーヴィニヨン、39% メルロ)を、カベルネ・フランとプティ・ヴェルド(それぞれ1.5%)で補うという特有の作付比率での栽培です。メドックの王たるブドウ品種カベルネ・ソーヴィニヨンからは無類の力強さとストラクチュアがもたらされ、グランヴァンのまさに脊椎を形成します。
多彩なブドウ品種
メルロの魅力はその可憐な丸みと比類なきしなやかさです。2015年からはプティ・ヴェルドを採用し、多様性の維持とほのかなスパイス香の効果が期待されます。プティ・ヴェルドは、粘土を多く含む重たい土壌において本領を発揮します。激しい性格の、手の込んだ管理を必要とする、いわばヴィニュロン頼みのブドウ品種です。カベルネ・フランに関しては、フェラン・セギュールでは継続的に栽培をしており、特有のフィネスとフローラルなニュアンスをそなえ、アッサンブラージュにおける強力な切り札になります。
1- 「Fontpetite」区画(丘の頂)の多腐植質・礫質土壌
2- 「Chanchot」区画の粘土質・礫質土壌
3- 「Fontpetite」区画(丘陵傾斜部)の砂質・礫質土壌
地平線にのぞむ河口
メドック地方は温暖な海洋性気候を特徴とし、鮮明に移り変わる四季とともに毎年ブドウは順調に生長します。激しい気象現象からも保護された、まさに理想的な環境に置かれています。シャトー・フェラン・セギュールのブドウ畑は河口近くに位置しており、過度な厳寒や度々観測される夏の猛暑から守られています。
フェラン・セギュールの畑は、サンテステフのテロワールの複雑性を示す好例です。数十万年ほど昔に河の流れによって堆積した礫(小石)が厚い層を形成しています。サンテステフ地区の大部分には、河原石、特に粘土質砂まじりの礫(粘土質・礫質)から成る、なだらかな起伏のある風景が広がっています。