ブドウ畑での作業
偉大なるテロワールの賜物であるグランヴァン、それは、土壌とミクロクリマ、ブドウ品種、そして人の手によってもたらされる表現… これらの要素がミステリアスに融合されることによって生まれます。
栽培責任者リュック・ペロネは、この特別なテロワール本来の素質を見極め、それを尊重しながら読み解きます。また、長い期間をかけて、自然および作業環境への影響を常に認識するレゾネ農法への転換を行ないました。
土壌下層部を分析し、ブドウ品種とそれに適した台木を厳選し、そして日当たりや風向きなども考慮します。ブドウ栽培を心から愛し、日々若株ブドウの健やかな生育と成熟ブドウ樹の健康状態を気にかける姿は、まさに職人そのものです。
レゾネ農法
フェラン・セギュールでは、常に土壌を尊重した管理を心がけています。除草剤の使用はほぼ撤廃し、代わりに耕起を行ないます。一方、一部の区画では草生栽培を採用。土壌の侵食防止と樹勢調整に効果的です。肥料はできるだけオーガニックベースのものを使用します。生物多様性の維持・保全に努めています。
農学の進歩
農薬使用量の削減につながる疫病防除措置に関しては、ブドウ房の密集を妨ぐ剪定法の採用や、最適な葉面積に整える誘引法、的確な除葉作業など、目覚ましい進歩が見られています。
各区画に関する経験に基づく知識の蓄積があって初めて、革新的農学技術やハイテク技術を冷静に活用し役立てることができます。例えば、気象観測データ、疫病および病害虫に関するモデリング開発、あるいは各ブドウ樹の樹勢に関するモニタリング調査のおかげで、農薬使用量の大幅な削減が可能になりました。90年代以降、自然環境の保全を原則とする生物工学的手法を用いた防除法(フェロモン交信かく乱剤)を導入し、これは農薬の撤廃と動物相の保護につながっています。自然界の捕食者の存在がブドウ畑にとっての病害虫によって脅かされることはありません。これらと並行して、水使用量の削減および産業排水の処理にも積極的に取り組んでいます。
o
熱意のなせる技でしょうか。彼のもとには使命感に燃えたスタッフが徐々に集まり、ひとつのチームが形成されていきました。例えば、剪定作業には伝統法の正確な体得が必要不可欠で、そのためにも熟練者から若手への技術伝承に力を入れています。ブドウ樹の剪定は11月から3月に行なわれ、これは将来の収穫を条件づけるだけでなく、ブドウ樹の品質恒常化の鍵をにぎる非常に重要な作業です。
夢中で取り組んだ1年の成果
長年の経験によりつちかわれた叡智を発揮したいところではありますが、春の霜害の時期や収穫直前、夏の雷のとどろきを聞くと、いつになっても不安に襲われるものです。栽培責任者が初めて安堵の息をつくのは「ブドウが蔵へと運びこまれた」瞬間です。収穫は100名程度のスタッフの手を借りて、約12日かけて手摘みで行なっています。夢中で取り組んだ1年の成果を収穫します。